群馬県済生会前橋病院

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心臓血管外科

はじめに

 当院の心臓血管外科の開設は1988年5月です。当時県内では心臓手術が可能な施設は極々少数でしたが、心臓・大血管の疾患について生まれたばかりのお子さんから90歳を超える超高齢者までを対象として幅広く医療提供を行ってまいりました。

 現在は小児科が非常勤となり対象年齢は成人が主体となりましたが、先天性のご病気を抱える患者さんのお役にも立てればと考えています。メンバーは東京女子医科大学心臓血管外科の応援のもと近くで安心して心臓・血管手術を受けていただけるよう努力しています。

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心臓手術
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体外循環
診療内容

虚血性心疾患

 心臓に栄養を供給している血管(冠動脈)に狭窄や閉塞が生じ心筋虚血(血流不足)を生じた病気の総称で、狭心症や心筋梗塞などを指します。胸、肩、みぞおちの圧迫感や痛み、呼吸困難などの症状が起こります。患者さんの状態に応じて、内科的治療(薬物治療やカテーテル治療)もしくは外科治療(冠動脈バイパス術)を行います。冠動脈バイパス術では、狭窄や閉塞した血管に自身の動脈(内胸動脈、橈骨動脈、右胃大網動脈など)や静脈(足の大伏在静脈)を吻合し血流を改善させます。 急性心筋梗塞に付随する左室破裂などの余病は1分1秒を争うことが多く、臨床工学科チームなどとともに速やかな循環の維持を図り救命に努めています。

弁膜症

 心臓にはポンプ機能を持つ部屋が4つ(右心房、右心室、左心房、左心室)あり、それぞれの部屋の出口には心臓内での逆流防止のために弁がついています(三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁)。これらの弁に生じる病気の総称を弁膜症と呼び、臨床上重要な弁膜症として大動脈弁狭窄症や閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症や閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全などがあります。現在はリウマチ性の弁膜症は減少傾向となり、代わりに加齢や動脈硬化性に伴う大動脈弁狭窄症や変性による僧帽弁閉鎖不全症が増加傾向にあります。病初期はほぼ無症状ですが、進行すると息切れや体のむくみなど心不全症状が出現するようになり、心機能も徐々に悪化します。重症例では突然死の危険も増すため、適切な時期に手術することが大切です。手術方法としては自身の弁を温存する形成術と、弁を切り取って人工弁(機械弁と生体弁の2種類)を移植する置換術があり、悪くなった弁の種類や程度によりいずれかを選択します。

大動脈疾患

 心臓から全身に向かう血液は大動脈を通過し枝分かれを繰り返し、最終的にいろいろな臓器に運ばれていきます。大動脈は横隔膜を境にして胸部と腹部に分けられます。大動脈の壁が弱くなり徐々に膨らむ病気は(真性) 大動脈瘤と呼ばれますが、一方で高血圧などを背景に急に血管壁に亀裂が生じて裂けてしまう急性大動脈解離と呼ばれる怖いタイプもあります。(真性)大動脈瘤の多くは無症状なため検診で偶然発見されるか、不幸にも破裂してしまいショック状態での搬送となります。後者は緊急性が高く死に至る危険性が高いため、予め定期健診(胸部レントゲンや腹部超音波検査など)を定期的に受けておくことが重要です。見つかった場合には瘤の大きさや形によって手術時期を決めます。急性大動脈解離は突然の激しい胸痛や背部痛で発症します。突然死する危険もあるため解離を起こした部位によって緊急手術が必要になります。これらの治療には全身麻酔で人工血管を用いて修復するのが一般的です。

胸部大動脈瘤に対する修復

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[術前]
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[術後]

 

末梢血管

 歩行に伴う足の疼痛は足の血管が狭窄し血流障害からおこる場合があります。休息により改善しますが再び同程度の距離で疼痛が出現します。間歇性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれるこのような特徴的な症状をお持ちの方は糖尿病、高血圧、脂質異常症といった動脈硬化の危険因子を持ち合わせていることが多く、冠動脈病変の有無など精査したうえでカテーテル治療または外科的バイパス手術により症状の寛解を目指します。診断は下肢の血圧測定などにより容易です。
  一方、足の静脈血は重力に反し心臓に向かいますが、足表面にある静脈の逆流防止弁が壊れると静脈がうっ滞・怒張し、足が重い・痛いなど様々な症状を引き起こすことがあります。下肢静脈瘤にはいくつかのタイプがあり、必要に応じて再発しにくい治療を行なっています。まずはお気軽にご相談ください。

左右大腿動脈の慢性閉塞に対するバイパス例

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下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術について
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足の血管がこぶのように浮き上がる病気です。

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 ふくらはぎに多発しますが太ももや膝のうらなどにもできます。立ち仕事の方や妊娠・出産経験者、また遺伝的素因をお持ちの方に発症しやすいことがわかっています。下肢静脈瘤の原因は静脈の中にある逆流防止弁の故障です。基本的には良性疾患ですが、残念ながら自然に良くなることはありません。
痛み、だるさ、むくみ、かゆみ、こむら返りなどを伴うことが多く、放置すると色素沈着や潰瘍形成など重い症状に発展することもあります。

 

下肢静脈瘤の治療方法
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 逆流防止弁の故障により静脈血流が下肢でうっ滞し静脈瘤が形成されますが、二次的にできた静脈瘤の局所的処置のみでは再発します。
 壊れた弁を有する静脈そのものを根本的に治療する方法として、古くからストリッピング手術が行われてきました。これは血流うっ滞の原因となる静脈を痛くないように抜き取ってしまう方法です。特殊な器具を用いることで1cm程の傷が足の付け根と膝周囲にできますが適切な処置が行われれば再発はほとんどおこりません。
 近年保険適応となったレーザー治療は、静脈を抜き取る代わりに血管内でレーザー光を照射することで血管を焼却閉塞させる方法です。傷はさらに限局的で低侵襲であることから日帰り手術も可能となりました。下肢静脈瘤の病態には個人差も大きくすべての方が適応となるわけではありませんが、治療に精通した医療機関を受診し相談してみるのがよいでしょう。

 
当院の場合
 
 一度外来にお越しいただければ診察の上必要に応じ諸検査を実施します。2時間程度あれば同日行いますのでその日のうちに結果をご説明します。
 治療が必要と判断された場合、レーザー焼灼が可能か、両足にある場合の治療計画などについて患者さんの意向など伺いながら個別に相談して決めてゆきます。日程につきましてはその日のうちに決めることも後日電話で調整することも可能です。どちらの方にも治療日当日に持参するものや事前の食事/内服などわかりやすくご案内し初日は終了です。
 治療日は施術2時間ほど前に来院して頂きます。治療法によらず施術は1時間程で終了し、局所麻酔のため痛みを感じないのはもちろん過度の緊張をほぐすお薬も併用しますので寝ている間に終わってしまったと感じる患者さんが多いです。
 治療後から歩行もできますし、少し休憩し運転してお帰り頂くことも可能です。手術後の状態は翌日と約1週間目に行い問題なければそれで終診となります(レーザー焼灼の場合は3週目にも来院)。
いずれの治療におきましても傷は殆ど目立ちません。

 

静脈瘤でお困りの方、心配されている方は是非気兼ねなくご相談下さい。


治療設備紹介
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実施施設及び実施認定医について
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当院は下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施医、実施施設認定において、血管内レーザー焼灼術実施・管理委員会より平成25年12月8日に実施施設および実施医の認定を受けました。

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【関連学会】

日本静脈学会(The Japanese Society of Phlebology)
日本脈管学会(Japanese College of Angiology)
日本血管外科学会(The Japanese Society for Vascular Surgery)
日本インターベンショナルラジオロジー学会(The Japanese Society of Interventional Radiology)
日本皮膚科学会(The Japanese Dermatological Association)
日本形成外科学会(Japan Society of Plastic and Reconstructive Surgery)

ご連絡方法
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ご用命、ご質問などございましたらお気軽に当院地域連携課までお問い合わせください。

直通連絡先
   TEL 027-252-1751 / FAX 027-252-6102
   【平日】8:30~18:00
   【土曜日(第1・3)】8:30~13:00
    ※第2・4・5土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)を除く。

 

初診バナー

 

診療実績

 

手術患者数

 

医師紹介
名  前
石山 雅邦
出身大学

弘前大学 1990年

資  格

医学博士
日本心臓血管外科学会国際会員
心臓血管外科専門医
日本外科学会専門医
日本胸部外科学会認定医
東京女子医科大学心臓血管外科非常勤講師

所属学会

日本循環器学会、日本胸部外科学会
日本外科学会、日本心臓血管外科学会
日本小児循環器学会、日本血管外科学会

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