診療部門のご案内Departments and Divisions 消化器内科

概 要

 消化器内科では消化器疾患(消化管・肝・胆膵)全般の診断と治療を行っており、日本消化器病学会専門医認定施設、日本内視鏡学会専門医指導施設、日本肝臓学会認定施設、群馬県がん治療連携推進病院、地域医療支援病院などの認定を受け、地域の中核施設として診療活動を行っています。

 診療は別紙のとおり各分野の専門医をはじめ10人の医師で分担し、一般外来から専門外来まで毎日対応しています。入院診療に於いては、定期カンファレンスなどを通して情報の共有化と診療レベルの向上を図っており、外科や放射線科との密な連携も診療精度の向上と効率化に大きく貢献しているものと考えています。

診療内容

 消化管(胃、大腸)疾患、肝・胆・膵疾患に対して専門的な診療を行っております。治療後、病状の安定している患者さんは原則として紹介医に外来経過観察をお願いしています。病診連携充実のため、診察予約や検査予約のアレンジを地域連携課で調整し、利便性の向上に努めています。

 2021年当科の実施した処置を含む上部内視鏡検査件数は4,819件、下部内視鏡件数は1,306件、膵胆道系は599件でした(図)。また超音波内視鏡は94件施行しました。

(図)当院における消化器内視鏡年間実施件数

上部消化管
下部消化管


消化管

 消化管腫瘍(食道、胃、大腸)に対する内視鏡治療を積極的に行っています。2005年からは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を取り入れ、病変を確実に切除出来るようになり成果を挙げています。また従来切除の困難であった大きな病変も一括切除出来るようになり内視鏡治療の適応の幅が拡大しました。2021年のESD症例は37例施行し近年は下部消化管の症例が増加傾向にあります。また、アルゴンプラズマをはじめ各種凝固焼灼療法なども行っており、その他の内科的治療も織り交ぜた集学的な内視鏡治療を目指しています。

 人間ドックや検診で多く発見される大腸ポリープなどに対しては、可能な限り発見時に即座に切除する方針をとっており、日帰りあるいは1泊入院治療などを行っています(大腸内視鏡切除;2021年370件)。消化管出血に対する内視鏡止血術も積極的に行っております(内視鏡的消化管止血術;2021年54件)。

 慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、低悪性度リンパ腫に対するヘリコバクター除菌療法も、尿素呼気試験測定器を使用して感染の有無を即座に判定し、積極的に行っています。

ESD件数
膵・胆道

 当科開設1993年当初より肝胆膵疾患に対する内視鏡的診断と治療は、メインテーマとして力を注いでいます。総胆管結石に対する切石:内視鏡的乳頭切開術(EST)や、膵癌や胆道癌による閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ドレナージ(EBD)の症例は極めて豊富です。2021年の膵胆道系内視鏡検査治療は年間599件(図)でした。また、超音波内視鏡下の診断、治療も導入し、2021年は超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)を年間28件施行しました。ERCP、EUSを用い胆膵疾患及び、上部消化管の粘膜下腫瘍を的確に診断した後、外科とのタイアップにより切除可能な悪性腫瘍は積極的に外科切除を行い、切除不能例に対しては外来を中心とした化学療法を行っています。

胆膵内視鏡件数
肝臓

 慢性肝炎、急性肝炎、肝硬変、肝癌など、肝疾患について幅広く診療を行っています。
 肝疾患の画像検査として、造影CT検査、造影MRI検査、腹部超音波検査、造影超音波検査を利用しています。2018年度からフィブロスキャンを導入しており、肝組織への脂肪沈着や肝硬度が、痛みや出血等の侵襲を伴うことなく短時間で評価できます。フィブロスキャンを用いることで、近年注目を集めている非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、特に予後不良な非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の拾い上げに貢献できると考えています。
 ウイルス性肝炎の分野では、肝炎の進行抑止や肝癌の抑制を念頭に、慢性C型肝炎に対する経口抗ウイルス療法(DAA)や、慢性B型肝炎に対する核酸アナログ製剤など、抗ウイルス治療を積極的に行っています。
 肝癌治療の分野では、ラジオ波焼灼療法(RFA)・マイクロ波凝固療法(MWA)や、肝動脈化学塞栓術(TACE)などの治療を行っています。当院では特にRFA・MWAを積極的に行っており、近年では年間100例以上の治療実績があります(図)。進行肝癌に対しては、全身化学療法(経口、点滴)などの治療を行っています。
 その他、食道静脈瘤に対する硬化療法(EIS)や結紮術(EVL)、孤立性胃静脈瘤に対する塞栓術(BRTO)、胆管炎や胆嚢炎に対する経皮経肝ドレナージ術(PTBD/PTGBD)、腹水貯留に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)、肝嚢胞に対するエタノール注入療法など、各種肝疾患に対して幅広く積極的な治療を行っています。

フィブロスキャン

医師紹介

  • 吉永 輝夫

    • 消化器内科
  • 田中 良樹

    • 消化器内科
  • 蜂巣 陽子

    • 消化器内科
  • 吉田 佐知子

    • 消化器内科
  • 畑中 健

    • 消化器内科
  • 迫 陽一

    • 消化器内科
  • 中野 佑哉

    • 消化器内科
  • 中野 彩智

    • 消化器内科
  • 書上 愛

    • 消化器内科
  • 金山 雄樹

    • 消化器内科
  • 廣田 菫

    • 消化器内科
  • 菊地 優実

    • 消化器内科