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医療の質指標
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- 医療の質指標
- 病院全体の指標
- 急性期病棟における病床利用率・病床稼働率
- 急性期病棟における平均在院日数
- 死亡退院患者率
- 剖検率
- 退院サマリー完成率
- 退院後6週間以内の緊急再入院
- 地域支援病院における紹介率・逆紹介率
- 手術・処置に関する指標
- 総手術件数
- 麻酔別手術件数
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- 部門別の指標
- 糖尿病患者の血糖コントロール
- 院内褥瘡発生率・治癒率
- 内視鏡検査(治療数含む)
- 服薬指導件数
- 救急・医療安全の指標
- 救急車受入数
- 入院患者の転倒転落発生率
- チーム医療の指標
- クリニカルパス稼働率
- 認定看護管理者・専門看護師・認定看護師数
- 予防医療に関する指標
- 職員のインフルエンザワクチン接種率
- 患者満足に関する指標
- 患者満足度調査
- 日本病院会 QIプロジェクト参加
- フィードバックデータサマリー
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クオリティー・インディケーター(QI)とは病院で実際に行われている医療の質を推し量るための様々な指標のことです。ひとくちに医療の質と言っても、いろいろな側面があり、様々な要素、様々な意味合いを含んでいます。カリスマ的な高度医療もさることながら、基本的な医療技術の充実、快適な療養環境の実現など、評価すべき項目はたくさんあります。これらをできるだけ客観的に評価し、自院の立ち位置を確認することによって、より良質な医療の提供を目指す改善活動が可能になります。科学的根拠に基づいて医療の過程・結果を分析し、医療の質を客観的に評価でるように設定した指標がクオリティー・インディケーター(QI)です。この手法で自院の診療データを解析し公開することにより、他院と比較することが可能になります。自院の現状を把握し、医療の質改善活動を継続していくことが、これからの病院のあるべき姿と言えます。
急性期病棟における病床利用率・病床稼働率
病床利用率は100%に近いほど空きベッドが無い状況で利用されていることになります。病床稼働率は高いほど、患者さんの退院によって空きベッドができた場合、他の患者さんの迅速な受け入れが出来ていることになります。
【計算方法】 病床利用率=24時時点での年間患者数 ÷(病床数365)※ 病床稼働率=(入院した年間患者数+退院した年間患者数)÷ (病床数×365)※ ※ うるう年は(病床数×366)で計算
急性期病棟における平均在院日数
平均在院日数とは、入院患者さんの入院日数の平均です。病床利用率は高いほど、平均在院日数は短いほど、沢山の患者さんの診療に携わっていることになります。当院のような急性期病院では、平均在院日数を減らし、できるだけ多くの入院患者さんを受け入れる努力をしています。適切に診断し、患者さんの身体になるべく負担をかけない手術や治療を行うなどにより、必要以上の長期入院を回避し地域の医療ニーズに答えて行きたいと考えています。
【計算方法】
平均在院日数 = 年間在院患者数 ÷ {(年間新入院患者数 + 年間退院患者数)÷2}
(尚、行政の要請により受け入れを行っているコロナ感染症の患者さんは計算に入れていません)
死亡退院患者率
全退院患者数に対する、死亡退院された割合を示します。また、75歳以上の高齢者についても把握し、症例や診療過程を検討しています。患者さんの疾患や重症度が異なるため、一概に評価することは難しいですが、毎年の変化に着目をしています。
医療安全全国共同行動の年齢基準に準じています。
【計算方法】
死亡退院率 = 死亡退院患者数 ÷ 全退院患者数
全死亡退院の内75歳以上死亡退院率=75歳以上死亡退院患者数÷全死亡退院患者数
75歳以上の退院患者率 = 75歳以上退院患者数 ÷ 全退院患者数
75歳以上の死亡退院率 = 75歳以上死亡退院患者数 ÷ 75歳以上全退院患者数
剖検率
剖検率とは、入院中に死亡された患者数に対する、病理解剖された患者数の割合を示します。病理解剖は、死因や病態を解明し、臨床診断をさらに正確にするため、ご遺族の承諾を得て行います。また病理解剖によって、新たな事実が発見されるなど、その後の診療に大変重要な情報となります。
【計算方法】
剖検率 = 剖検数 ÷ 死亡退院患者数
退院サマリー完成率
退院サマリーとは、患者さんの病歴や入院時の身体所見・検査所見、入院経過など、入院中に受けた医療内容を要約し、最終診断名と症状の経過や結果(転帰)を記入したものです。
患者さんの多くは、退院後2週間程度で、外来や紹介元の病院を受診されます。それまでに、入院時の記録を整理しておき、次回の受診時にそれを参照できるようにしておくことが重要になります。【計算方法】
退院サマリー完成率 = 退院後の一定期間内にサマリーを記載した件数 ÷ 退院患者数
(退院後1週間以内・2週間以内・1ヵ月以内)
退院後6週間以内の緊急再入院
患者さんの中には、退院後6週間以内に予定外の再入院をすることがあります。
その要因としては、在院日数の短縮が図られる中で、回復が不完全な状態で早期退院を強いたこと、入院時治療が不十分であったことなどが考えられます。
再入院率が低いほど、医療の質は上がります。
【退院後6週間以内の緊急再入院率】退院後6週間以内の緊急入院患者数/調査期間中の退院患者数※前回入院と同一疾患で入院したかどうかは見ていません。
地域支援病院における紹介率・逆紹介率
紹介率とは他の医療機関から紹介で当院に来院された患者さんの割合、逆紹介率とは当院から他の医療機関へ紹介した患者さんの割合です。数字が高くなるほど患者さんの状態に適した医療の提供につながると考えます。
【地域支援病院】
当院は平成21年に群馬県より医療法に定められた「地域医療支援病院」の承認を受けました。地域医療支援病院は地域の医療機関からの紹介患者に対する医療の提供、救急医療の提供、医療関係者の研修を行うなど、地域の「かかりつけ医」を支援する能力を備えた病院として、知事が承認した病院です。医療機関との連携を図り、より充実した医療の提供をめざします。
【計算方法】
紹介率=(紹介患者数+救急患者数)÷ 初診患者の数
逆紹介率= 逆紹介患者の数 ÷ 初診患者の数手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
手術部位感染(SSI)を発症すると、入院期間の延長や入院医療費の増大など、患者さんにとってのデメリットは大きく、その予防の重要性は明らかであります。
SSIを予防する対策の一つとして、手術開始前の抗菌薬予防的投与があり、手術開始から終了後まで、血中または組織中の抗菌薬濃度を適切に保つことで、SSIを予防できる可能性が高くなります。SSI対策に率先して取り組むことで、安心して手術が受けられる環境をより強化しています。当院では、手術全例において開始前1時間以内に抗菌薬の投与を行っていますが、前日から予防投与をしている手術もあります。抗菌薬の初回投与が手術開始前1時間以内であったものは以下の通りとなります。
【手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率】-日本病院会の定義に準ずる-
分子:手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された退院患者数
・手術開始時刻は皮膚切開時刻とする。
分母:入院手術を受けた退院患者数計算手順
- 手順①
- 同一入院期間中に複数回の手術が行われている患者を分母より除外する
- 手順②
- 手術申込しみが手術開始24時間以内に行われた患者を分母より除外する
- 手順③
- 帝王切開手術の患者を除外する
- 手順④
- 外来手術患者を除外する
- 手順⑤
- 術前に感染が明記されている患者を除外する(注1)
- 手順⑥
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手術日-2日に抗菌薬が投与されている患者を分母より除外する(注2)
(手術2日前の投与は感染と考える)
- 手順⑦
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手術日+7日に抗菌薬が投与されている患者を分母より除外する(注2)
(手術7日後の投与は感染と考える)
- 手順⑧
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手術日-1日~手術日+6日に抗菌薬が投与されていない患者を分母より除外する(注2)
(清潔手術を除外する)
- 手順⑨
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手術日-1日~手術日+2日に抗菌薬が投与されていない患者を分母より除外する(注2)
(術後3日目からの投与を除外する)
- 手順⑩
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以下の3条件をすべて満たす抗菌薬を識別する(注3)
(大腸手術の経口抗菌薬計算処理を追加する)条件1 手術が別表①の手術
条件2 抗菌薬がフラジールまたはカナマイシン
条件3 抗菌薬投与開始日が手術日-1日 - 手順⑪
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手順⑩の条件をすべて満たす抗菌薬を除いた抗菌薬のうち、手術ごとに最も古い投与日時を計算する(注3)
(投与された抗菌薬のなかの最も古い投与開始日時を求める)
- 手順⑫
- 手術開始日時、抗菌薬投与開始日時が60分未満を分子とする
- 注1
- 手術ごとに手術創分類(清潔、準清潔、汚染、不潔・感染)の区別が可能であれば清潔、準清潔を分母とし、手順③、手順④、手順⑦、手順⑧、手順⑨、手順⑩、手順⑪、手順⑫のみ計算する
- 注2
- 1手術あたり複数の抗菌薬が投与されている場合には「別紙:複数の抗菌薬投与の取扱い」を参照のこと
- 注3
- 「別紙:手順⑩⑪の計算例」を参照のこと
糖尿病患者の血糖コントロール
血糖コントロールとは、高血糖を改善して、出来るだけ正常な数値に近づける事です。血糖値を正常な状態に保つ事が出来れば合併症を発症する確立が大きく下がります。血糖コントロールは、食事療法・運動療法・薬物療法の3つが柱となります。
その大切な指標としてHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)があります。日本糖尿病学会では、2012年4月1日よりHbA1cの表記をHbA1c(JDS値)からHbA1c(NGSP値)を用いることとし、糖尿病の診断をする際、HbA1c(NGSP値)が6.5%以上を糖尿病型と判定するとしています。当院では重篤な症状の方を多く受け入れており、症状が改善された方は地域連携パスによって地域医療機関でのフォローをお願いしています。
【HbA1c(NGSP値)=HbA1c(JDS値)+0.4%】
【計算方法】(日本病院会の定義に準ずる)
糖尿病患者の血糖コントロール=
HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数÷糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数
(対象:過去1年間に糖尿病治療薬が外来で合計90日以上処方されている患者)
(除外:運動療法または食事療法のみの患者)院内褥瘡発生率・治癒率
褥瘡(じょくそう)とはいわゆる『床ずれ』と呼ばれるものです。
当院では、皮膚・排泄ケア認定看護師と栄養管理褥瘡対策委員会が中心となり、褥瘡の発生予防や早期治癒を目的とした活動を行っています。また、標準マットレスをウレタンフォームマットレス(静止型マットレス)やエアマットレス(圧切替型マットレス)に変更することなどで褥瘡管理に取り組んでいます。【計算方法】
発生率 =d2以上の新規発生患者数 ÷ 全入院患者数
治癒率 = 治癒患者数 ÷ d2以上の保有患者数
(d2とは褥瘡の深さの区分で、真皮までの損傷があることを表しています。)内視鏡検査(治療数含む)
【GIF】・・・上部消化管内視鏡検査
咽頭部から、上部消化管(食道・胃・十二指腸)の観察、色素散布、生検などを行います。一般検査(経口内視鏡、経鼻内視鏡)と特殊検査・治療(内視鏡的粘膜下層剥離術《ESD》・内視鏡的食道静脈瘤結紮術《EVL》など)に分かれます。【CF】・・・下部消化管内視鏡検査
肛門から内視鏡を挿入し、小腸末端部から大腸全般、肛門までの観察、色素散布、生検などを行います。検査・治療(主流の内視鏡的粘膜下層剥離術《ESD》・内視鏡的粘膜切除術《EMR》、など)に分かれます。
【ERCP】・・・内視鏡的逆行性膵胆管造影術
膵管、総胆管の出口である十二指腸乳頭にカテーテルを挿入し、内視鏡の先端から造影剤を注入して、胆管、膵管を選択的にX線造影する方法です。検査(病理など)・治療(減黄術など)に分かれます。
【その他】・・気管支鏡検査(BF)・経皮経管的胆道内視鏡(PTCS)・カプセル内視鏡・小腸ファイバー
服薬指導件数
薬剤の使用に当たっては、その適切な使用が重要であり、医師の意図と異なる服用方法を行った場合には薬効が過剰あるいは不十分となり、病態が軽快しない、増悪するなどの可能性もあります。この様なケースを防止する為、患者さんへ処方薬の薬効・服薬方法・服薬の意義について分かりやすい言葉で説明し、理解を得る必要があります。これを服薬指導と呼びます。
救急車受入数
救急車の受入台数を把握する事により、救急医療の機能を測ることが出来ます。
当院は、救急病院として急性期疾患に対応した地域医療に貢献し、今後も救急医療を積極的に行っていきたいと考えています。 -
クリニカルパス稼働率
【クリニカルパスとは】
入院後のスケジュールを患者さんやご家族に分かり易く説明する、時系列にまとめた表です。
「入院診療計画書」としてお渡しすることが一般的で、検査や治療のほか、食事や入浴、薬の飲み方も記されています。スケジュールは医療のチームに共有されます。
科学的根拠に基づいて標準化した医療が提供できる場合に適用されますが、治療や検査の内容によってはクリニカルパスが作られていないものもあるため、患者さんの状態等によって標準的なスケジュールとならない場合は適用されません。【計算方法】
クリニカルパス稼働率 = クリニカルパス使用数 ÷ 入院患者数
当院の認定看護管理者・専門看護師・認定看護師数
【役割】
【認定看護管理者】
患者・家族や地域住民に対し質の高いサービスを提供できるよう、自身が管理する組織の課題を明らかにし、組織内の様々な部署や人に働きかけて、組織全体のサービス提供体制の向上に取り組みます。また、地域の組織間の連携を図るなど、地域全体の医療・看護の質の向上に努めます。【専門看護師】
患者・家族に起きている問題を総合的に捉えて判断する力と広い視野を持って、専門看護分野の専門性を発揮しながら専門看護師の6つの役割「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」を果たし、施設全体や地域の看護の質の向上に努めます。【認定看護師】
患者・家族によりよい看護を提供できるよう、認定分野ごとの専門性を発揮しながら認定看護師の3つの役割「実践・指導・相談」を果たして、看護の質の向上に努めています。(公益財団法人日本看護協会のパンフレットより)
【制度の目的】
【認定看護管理者】
認定看護管理者制度は、多様なヘルスケアニーズを持つ個人、家族及び地域住民に対して、質の高い組織的看護サービスを提供することを目指し、看護管理者の資質と看護の水準の維持及び向上に寄与することにより、保健医療福祉に貢献します。【専門看護師】
専門看護師制度は、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることを目的としています。【認定看護師】
特定の看護分野における熟練した看護技術及び知識を用いて、あらゆる場で看護を必要とする対象に、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としています。(公益財団法人日本看護協会のホームページより)
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職員のインフルエンザワクチン接種率
感染対策において、医療を提供する側にある職員自らが媒介とならないよう、定期的に健康診断を受けることが「患者さんの安全」につながります。医療機関を受診される方では免疫力が低下していることが多く、患者さんへの感染予防と安全の為、医療従事者への、インフルエンザワクチンの接種が勧奨されています。
【計算方法】
職員のインフルエンザワクチン接種率 = 当院でのインフルエンザワクチン接種者数 ÷ 全職員数患者満足度アンケート
当院では患者サービスの向上を目的として、「患者満足度調査」を毎年実施しています。2021年度は10月に調査を実施いたしました。調査にご協力いただきました患者さんには心よりお礼申しあげます。 この結果を各部署へフィードバックし、より良い病院づくりに取り組んでまいります。
【調査概要】
入 院:調査期間(2021年10月1日~31日)に退院した患者さんを対象。
病棟ごとに看護師が調査票を配布し、退院時に回収箱に投函する無記名回答
方式で行いました。(有効回答数423枚)
外 来:調査期間(2021年10月11日~16日)に来院された患者さんを対象。
会計窓口にて事務職員が調査票を配布し、回収箱に投函する無記名回答方式
で行いました。(有効回答数615枚)
フィードバックデータサマリー
【製作中】