診療部門のご案内Departments and Divisions 腎臓リウマチ内科

はじめに

当科は群馬大学腎臓・リウマチ内科学教室の関連病院として、腎臓病やリウマチ・膠原病を専門とする4人の医師からなり、入院病床17床を有しています。診療においては医師間で患者さんの情報を共有することに加えて、医師全員と医療スタッフによる合同カンファレンスを行い、常に適切な治療がおこなわれているかどうか検討しています。
当科の医師は透析センター診療も兼務しており、外来維持透析や入院患者さんの血液浄化療法にも従事しています。
当院は日本腎臓学会研修施設、日本透析医学会教育関連施設、日本リウマチ学会認定教育施設に認定されています。

診療内容

腎臓内科

①尿異常(血尿、蛋白尿など)の原因精査、診断確定
②さまざまな腎炎(慢性、急性、急速進行性)の診断と治療
③ネフローゼ症候群(高度タンパク尿に伴う低タンパク血症、むくみ)の診断・治療
④糖尿病、高血圧、膠原病などの全身疾患に合併した腎臓病の治療
⑤慢性腎臓病(腎臓の機能低下や障害が3ヶ月以上続く状態)の進行抑制や寛解導入
⑥腎臓の働きが低下した腎不全の患者さんへの腎代替療法(透析療法、腎移植)の選択・導入(腎移植の場合は移植施設への紹介)など
⑦関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどをはじめとした自己免疫疾患に対する診断・治療

透析センター

 血液透析と腹膜透析を中心に、血漿交換や持続的血液濾過透析など幅広い血液浄化療法に対応しています。
フロアには透析装置が54台設置され、その他に病棟への出張透析用に4台用意されています。
当院での維持透析患者数は100~110名ですが、他の透析施設から合併症治療のために転院されてくる患者さんも多く、県内の中心的役割を持つ病院となっています。
また近年、腹膜透析の導入件数も増加しており、適応のある患者さんには積極的に検討しています。

特徴

腎生検による確定診断と適切な治療

 腎炎、ネフローゼ症候群、血管炎、全身性エリテマトーデスなどの疾患では腎生検により診断し、適切な治療方針を検討しています。

慢性腎不全の進行を遅くする治療

 軽い腎障害のある患者さんに対しては早期より、薬物療法、食事療法を併用しその進行を少しでも遅くすることに力をいれています。当科では、医師を中心に、専門性の高い看護師、薬剤師、栄養士が連携し、腎臓病の進行を遅くしたり止めたりすることをめざした治療・教育を行っています。

最近では、進行が抑えられている患者さんも徐々に増えてきました。

血液浄化療法(透析療法)

 治療を開始するにあたっては、まず血液透析、腹膜透析の特徴を十分に説明し、患者さんの希望、医学的適応を考慮して、いずれかを選択していただいています。

血液透析

 当院では整形外科に内シャント作製を依頼しており、その後の管理を当科にて行っています。厳密なデータ管理、看護師、栄養士等の指導により長期にわたって透析を受けている患者さんも多くいらっしゃいます。

一方、合併症の治療のため当院各科に紹介される患者さんの入院中の透析管理例も行っています。

腹膜透析

 血液透析が院内で原則週3回行われるのに対して、腹膜透析は自宅でできることや、月に1,2回の通院で済むことなどの長所があります。在宅治療、社会復帰をめざす治療法であり、働く若い人や高齢者に適した治療法です。外科との協力にて腹膜透析カテーテル留置術を行っています。

診療実績

腎生検数

 年間30~40件施行しています。超音波ガイド下に注意深く施行しており、十分な組織をとることが可能となっています。腎疾患の確定診断、重症度の評価、治療方針決定に大いに役立っています。

近年は、IgA腎症に対する扁桃摘出+ステロイドパルス療法を積極的に行っています。

腎生検 年度別件数

腎生検 年度別件数

慢性腎臓病(CKD)について

 慢性腎臓病(CKD)は腎不全だけでなく、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因であることが判ってきました。CKDの患者さんは全国で1330万人、この中で進行のリスクが高い方が約300万人いると推定されており、その対策は極めて重要です。

CKDはさまざまな治療により進行を遅らせることが可能です。当科ではかかりつけ医の先生方との併診を進めており、CKDの早期介入による進行抑制に積極的に取り組んでいます。また、一般の方を対象とした講演会や勉強会を通じてCKDを知って頂くとともにその早期発見、治療につとめています。

透析療法について

 毎年多くの患者さんを透析導入しており、その人数は増加傾向です。

  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
新規導入者総数 32 39 35 35 37
うちCAPD 0 4 5 3 9

経皮的シャント拡張術(PTA)

 シャント血管はまさに血液透析患者さんの命綱といえましょう。

当科ではシャント血管が細くなっている可能性のある患者さんにはシャント造影を行い、早期異常発見に努めています。シャント狭窄がみられた場合には、バルーン(風船のようなもの)による拡張術を行っています。

医師紹介

  • 三島 敬一郎

    • 腎臓リウマチ内科
  • 木村 隼人

    • 腎臓リウマチ内科
  • 馬場 正仁

    • 腎臓リウマチ内科
  • 半田 広海

    • 腎臓リウマチ内科
  • 内藤 聖

    • 腎臓リウマチ内科