当院の特色Features of our hospital 糖尿病支援チーム

当院では、日本糖尿病学会の認定糖尿病専門医が糖尿病の診療を行っています。
そして多職種が院内で糖尿病診療支援チームを結成して活動しています。

 

 

糖尿病専門医  2名
糖尿病認定看護師(糖尿病専門の看護師)  1名
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)  20名
看護師  14名
管理栄養士  3名
臨床検査技師  3名
フットケア研修修了者  4名(うちフットケア指導士1名)
薬剤師・理学療法士・地域連携課・医事課・・・

 

上記医療スタッフが院内で糖尿病診療支援チームを結成して活動しています。

主な院内活動内容

photo・教育入院:7日間パス、3日間パス、
 生活習慣病重症化予防教育入院3日間パス
・外来患者:療養指導、地域連携パス
 (生活指導・栄養指導・自己注射導入指導・
  糖尿病透析予防指導・フットケアなど)

糖尿病ってどんな病気?

2012年の国民栄養調査では、糖尿病が強く疑われる人は約950万人、糖尿病の可能性が否定できない人は約1100万人とあわせて約2050万人、すなわち国民の6人に1人が糖尿病あるいはその予備群と推定されています。いまや糖尿病は国民病といえる様になりました。

糖尿病にはいわゆる3大合併症(網膜症、腎症、神経障害)の他に心血管病の合併が多いことが知られていますが、最近では癌、認知症、骨折の合併が多いことも明らかとなり、寝たきりになる危険性が高いことが判ってきました。

糖尿病の治療の目的は、健康な人と変わらない日常生活の質の維持、健康寿命の確保です。その手段として血糖値だけでなく体重、血圧、血清脂質の管理が重要です。血糖値のコントロールにおいてはただ単に低いHbA1c値を達成するのではなく、個々に目標を定め質の良い血糖値のコントロールを達成することが重要と考えられる様になりました。 近年、数多くの糖尿病に関する薬が開発され糖尿病治療の幅が広がりました。しかしながら、糖尿病の治療の基本は食事、運動療法が基本である事に変わりがありません。また、様々な合併症に対してよりよい治療を提供するためには専門的知識を持った多くの職種のスタッフが関わることが必要です。

当院の糖尿病療養支援チームには専門的知識が豊富なスタッフが揃っており、糖尿病に対する質の良い医療を提供できるものと考えております。

糖尿病について疑問をお持ちの方は、是非済生会前橋病院の糖尿病支援チームのスタッフに声をおかけください。

 

内分泌・糖尿病内科代表部長  荻原 貴之

 

 

糖尿病は適切な治療がなされないことで、合併症により失明や人工透析、足の切断などにつながる可能性のある病気です。当院には県内でも糖尿病療養指導士をはじめとする専門スタッフが最も多い施設の一つです。糖尿病治療は食事療法や運動療法を長期間続ける必要がありますが、その治療は時に大変で心が折れるようなことも少なくないでしょう。家族はもちろんのこと、支えてくれる医療関係者の存在も極めて重要と思われます。一人でも理解者いることは治療継続においては中葉です。当院の多くの専門スタッフの中には必ず、患者様と気が合い治療を継続することをサポートできるものがいると信じております。このHPをご覧になった方、また、周囲に糖尿病についてお困りの方がおりましたら是非当院の糖尿病支援チームのスタッフにお声かけ下さい。

 

内分泌・糖尿病内科 部長 青木 智之

糖尿病看護認定看護師とは

糖尿病治療は他の病気とは異なり、手術や薬で治すのではなく、自らが行う自己管理が治療の主体となります。とはいえ毎日の食事療法、運動療法の継続は並大抵の事ではなく、治療を中断してしまう方も少なくありません。多くの方は「糖尿病を良くしたいけれど、好きなものは好きなだけ食べたい」といった葛藤があるのではないでしょうか・・・

糖尿病看護認定看護師の役割の一つは“糖尿病を持ちながらも自分らしく生活するお手伝いをすること”です。血糖コントロールに悩んでいる方一人ひとりと話す時間を可能な限り持ち、自己管理のお手伝いが出来ればと考えています。院内で見かけた時には気軽に声を掛けてください。

 

糖尿病看護認定看護師   高草木 由里

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)とは

糖尿病との療養指導全般に関する正しい知識を有し医師の指示の下で患者に熟練した療養指導を行なうことができる医療従事者の資格を有するものに対して糖尿病療養指導士認定機構が与える資格です。CDEJは医師と共に患者さんの自己管理を指導し、上手に血糖をコントロールしていくことを誘導する医療スタッフのことです。

実際に糖尿病の治療をしていくには患者さんの自己管理がもっとも大切ですので糖尿病に取り組む患者さんに様々なアドバイスを与えながらサポートしていく役割を持っています。

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)のバッジ

photo院内で活躍するCDEJは皆このバッジをつけています。
2本のカーブは食後血糖値の変動を示します。
赤は情熱・青は友情横顔は日本糖尿病指導士その人です。
糖尿病の事で困っている時、このバッジを見かけたらご遠慮なく声を掛けてください。

生活習慣病予防とは

photo生活習慣病は脳卒中や心筋梗塞などの大きな疾病と密接な関係があります。生活改善をすることにより、そういった疾病に罹患することを防ぐ事が出来ます。当院では外来における治療、並びに教育入院を通して生活習慣の改善手助けを致します。

糖尿病透析予防管理指導とは

photo糖尿病三大合併症の一つである糖尿病性腎症は、自覚症状なく進行するため、透析治療を必要とする患者さんが増えています。当院では医師・看護師・管理栄養士・薬剤師がチームとなり糖尿病透析予防の支援を行っています。

フットケア(教育入院)

photo糖尿病と足とは意外に深い関係があります。
糖尿病になると足の手入れが非常に重要になりますが日常生活では足に気を使うことは殆どありません。
看護師が患者さんの足の状態をチェックし、糖尿病と足の関係を説明し足病変予防の手助けをします。

フットケア(外来)

photo糖尿病足病変の進行から、脚の切断を余儀なくされることがあります。
予防の為には日頃足の状態のチェックが重要です!
当院では専門の看護師による外来でのフットケアにも力を入れています。

フットケア(透析センター)

photoCDEJが活動しており、糖尿病足病変、末梢動脈硬化症の患者さんに対して定期的にフットケアを行っています。
また定期的な検査の結果を確認しながら栄養科とも相談し、患者さんの透析ライフが有意義で充実したものになる手助けをしています。

栄養食事指導とは

photo当院では、外来栄養食事指導・入院栄養食事指導・外来透析栄養食事指導など、幅広い指導を実施しています。
外来ではおもに、糖尿病や脂質異常症、肥満などの生活習慣病の指導が多く、入院では各疾患に応じた指導や術前術後指導、退院時の指導などを多く行っています。
食事時間が不規則、外食が多いなど食生活が乱れている方、高齢者の一人暮らしなどでバランスよく食事を摂ることが困難な方の指導など、生活環境や年齢に応じた指導も多く行っています。

 

詳しくはこちらもご覧下さい。

薬剤指導

糖尿病の薬は多くの種類があり、薬の効果、服用方法を理解しておくことが重要です。

さらに、糖尿病の薬には低血糖をはじめとして副作用があります。薬の副作用を知っておき、それに対する対処方法も理解しておく必要があります。

薬剤師は患者さんが正しく薬を使用できるように支援していますので、薬でわからないことがありましたら遠慮なくご相談ください。

持続血糖測定(FGM)検査とは

この検査は、上腕に500円玉大の小型のセンサーを付けて、糖濃度の変化を記録する検査です(センサー1個につき最大14日間)。
24時間持続して血糖値を測定できるため、食後高血糖や夜間・仕事中などの低血糖、日々の生活での血糖変動を確認することができ、良好な血糖コントロールに必要な情報を得ることが可能です。
2017年9月よりインスリン療法を行っている患者さんに対して保険適応となり、当院でも2018年4月より運用を開始しております。

症例① 食後高血糖について

でお示ししたところは、食後高血糖が見られます。食後1時間~1時間半後に血糖値が300以上に上昇していることがわかります。
自己血糖測定では、血糖値は点として表示されるため、その値が最高値なのか?を知ることは難しいですが、FGMを使用することで、血糖値を測っていない時間帯の変化も記録する事ができます。

 

 

症例② 夜間低血糖について

こちらは、夜間から明け方に長時間の低血糖があった症例です。
夜中の12時にグルコース値を測定し、就寝後朝7時の起床までグルコース値70以下の状態が続いていたことがわかります(赤い○の部分)。
朝食と昼食の間にも低血糖があります。
このように、無自覚の低血糖も発見することができます。

 

 

*防水仕様のため、入浴やシャワーも特に気にすることはありません。
*異常値がでた場合、従来の自己血糖測定器で測定して確認する必要があります。
*インスリン療法を行っている患者さんで、自己血糖測定を行っている方が対象となりますが、それ以外の方は受け持ちの医師とご相談ください。

地域連携パス

photo地域連携パスとは、かかりつけ医の先生、当院担当医の二人の主治医が患者さんを診させていただく診療です。
 
糖尿病治療にあたり、かかりつけ医の先生から当院にご紹介頂いた後、患者さんには7日間又は3日間の入院をしていただきます(糖尿病教育入院)。各職種のスタッフから糖尿病の合併症や治療についての解説があり、又、様々な合併症の検査も受けていただきます。
退院後はかかりつけ医の先生への受診となりますが、初回は3ヶ月後、その後は6ヶ月毎に当院にも受診していただきます。
かかりつけ医の先生と情報を共有することで、よりよい治療法を作り上げていくことを目的としています。

院外患者会活動

一般市民の皆さんを対象にした糖尿病に関する啓蒙活動も積極的に参加しています。
 
photo photo主な活動は…
・勉強会
・食事会
・座談会
・ウォ-クラリー 等

 

 

※糖尿病の事で何かお困りの事、ご心配な事がありましたら主治医やCDEJにご相談下さい。