診療部門のご案内Departments and Divisions 内視鏡センター

概  要

日本消化器内視鏡学会の指導施設で、現在消化器内科医師と外科医師で検査治療にあたっています。午前中は主に上部消化管内視鏡検査を行い、月曜から木曜日までが消化器内科、金曜日は内科と外科で担当しています。経鼻内視鏡は主として人間ドックの受診者を対象に実施しており、好評価をいただいています。午後は消化器内科で主に治療内視鏡を行っております。胆膵内視鏡検査治療(ERCP等)を週3日行い、大腸内視鏡検査治療は行っています。最近すっかり標準治療として定着した早期癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は平成15年より行っており、安定した治療成績を得ています。胆膵系の内視鏡治療はもちろん、食道静脈瘤に対する硬化療法や結紮術なども積極的に実施しています。また平成22年よりカプセル内視鏡、EUS-FNAも開始しました。

内視鏡設備は全て高画質電子内視鏡システムを導入しており、別室のモニター画面でも検査状況をリアルタイムに見ることができるようになっています。検査を行っている3ブース全てでNBIが使用でき、これも早期癌の診断の一助となっています。画像はファイリングシステムで管理し定期的に所見の検討会を行っています。また、内視鏡検査に関わる感染対策として、自動洗浄器による全消毒と原則全ての内視鏡検査処置具のディスポーザブルを完了しています。

 

上部消化管内視鏡検査 診療日午前
下部消化管内視鏡検査、治療 予約制、週5回(月、火、水、木、金)
胆膵内視鏡検査、治療(ERCP等) 予約制、週3回(月、木、金)
内視鏡的食道静脈瘤硬化、結紮療法 予約制、適時
胃粘膜切除術(EMR,ESD等) 予約制、週1回(水)
緊急内視鏡検査 適時
超音波内視鏡検査 予約制、適時
カプセル内視鏡 予約制、適時

診療内容

病診連携の充実により内視鏡件数は着実に増加し、特に胆膵内視鏡件数の増加が顕著です(表)。2020年は治療内視鏡を含む上部消化管4660件、下部消化管1222件、十二指腸(ERCP等)517件でした。確実性と低侵襲性を両立させるという時代の流れの中、治療内視鏡の占める比率は年々高まっています。昨年はコロナの影響もあり、検診の上部消化管内視鏡検査は例年より少ない傾向となりました。

消化管腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は2020年45例に施行しました。ポリペクトミー・EMRは下部消化管で積極的に行っており実施件数は224件に施行しました。
膵・胆管系内視鏡検査は562例、その3/4は治療内視鏡(内視鏡的乳頭括約筋切開術ESTや内視鏡的胆道ドレナージ術EBDなど)でした。クリニカルパスを使用して、これらの内視鏡治療をできるだけ短期間の入院(4から7日)で実施しています。

その他、2020年診療実績としては、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法5件、内視鏡的食道静脈瘤結紮術15件、超音波内視鏡95件(うちEUS-FNA34件)などがあります。

 

表 消化器内視鏡 年間実施件数

  上部消化管 下部消化管 膵・胆道系 合 計
1995年 2,687 454 169 3,310
1996年 2,845 558 204 3,607
1997年 3,082 569 204 3,855
1998年 2,979 581 248 3,808
1999年 3,167 711 244 4,122
2000年 3,235 689 272 4,196
2001年 3,391 688 257 4,336
2002年 3,333 729 231 4,293
2003年 3,400 722 245 4,516
2004年 3,863 839 254 4,956
2005年 4,184 903 240 5,327
2006年 4,492 956 276 5,724
2007年 4,459 1,065 227 5,751
2008年 4,834 1.158 233 6,225
2009年 4,933 1,108 259 6,300
2010年 4,684 1,250 365 6,299
2011年 4,791 1,075 378 6,244
2012年 4,991 1,074 388 6,453
2013年 5,560 1,269 414 7,243
2014年 5,502 1,269 540 7,311
2015年 5,222 1,309 636 7,167
2016年 5,193 1,363 562 7,222
2017年 5,416 1,336 543 7,295
2018年 5,526 1,300 562 7,388
2019年 5,198 1,387 516 7,101
2020年 4,660 1,222 517 6,399