診療部門のご案内Departments and Divisions 急性疾患外科(救急対応)
当科では、虫垂炎・腸閉塞・腹膜炎などの急性腹症に対し、迅速かつ確実な診断と治療を行っています。夜間・休日も含め、緊急手術や内科的管理が必要な症例に24時間体制で対応しています。
目次
- 1. 急性腹症とは
─ 突然の腹痛や消化器症状の中に潜む重篤な疾患と、診断の重要性について解説します。 - 2. 当科の救急体制について
─ 24時間365日の緊急対応体制と、他科連携による診断・治療体制をご紹介します。 - 3. 虫垂炎(盲腸)について
─ よくある急性疾患の代表例として、症状・診断・腹腔鏡手術についてご紹介します。 - 4. 腸閉塞・穿孔・腹膜炎などの対応
─ 重症例・高齢者にも安全に対応可能な診療体制と判断基準について説明します。 - 5. 腹腔鏡下緊急手術について
─ 傷の小さな腹腔鏡手術により、緊急手術でも低侵襲・早期回復を実現しています。 - 6. 入院から退院までの流れ
─ 緊急入院後の検査・治療・経過観察から退院・外来フォローまでの流れをご紹介します。 - 7. 緊急時の受診について
─ 強い腹痛・発熱・吐き気などがある場合の受診の目安と、受診時の持ち物をご案内します。
1. 急性腹症とは
急性腹症とは、突然発症した激しい腹痛を主症状とする疾患の総称で、中には命に関わる病気も含まれます。虫垂炎・腸閉塞・消化管穿孔・胆嚢炎・膵炎・腹膜炎などが代表的です。
早期診断・早期治療が生命予後に直結するため、迅速な対応が求められます。
2. 当科の救急体制について
当院では、外科医・内科医の協力体制が組まれており、緊急手術が必要な症例に即時対応可能です。消化器内科・放射線科・麻酔科とも連携し、CT・超音波検査などを迅速に実施しています。
3. 虫垂炎(盲腸)について
右下腹部痛と発熱を主症状とする虫垂炎は、若年〜中高年に多く、緊急手術の代表例です。軽症例では抗生剤治療で経過をみることもありますが、多くは腹腔鏡下手術での治療となります。
当院では、単孔式や2孔式の低侵襲手術にも対応しており、傷跡が目立たず回復も早いのが特徴です。
4. 腸閉塞・穿孔・腹膜炎などの対応
術後癒着やがんによる腸閉塞、消化管穿孔や腹膜炎などは、緊急性が高く、状態によっては集中治療や術後管理が必要です。当院では、全身状態や年齢をふまえ、適切な時期に手術を行うことを心がけています。
5. 腹腔鏡下緊急手術について
腹腔鏡による緊急手術は、従来の開腹手術と比較して術後の痛みが少なく、整容性に優れ、早期の社会復帰が期待できます。
当院では、虫垂炎、胆嚢炎、穿孔性腹膜炎など、多くの疾患に腹腔鏡手術を導入しています。
6. 入院から退院までの流れ
緊急入院となった場合、検査・診断・手術・経過観察を経て、早ければ数日で退院となります。重症例では集中管理後にリハビリや再評価を行います。
退院後は外来での再診・経過観察を行い、再発や合併症の有無をチェックします。
7. 緊急時の受診について
強い腹痛、吐き気、発熱、意識障害などがある場合は、救急受診をおすすめします。受診の際は健康保険証・お薬手帳・紹介状(ある場合)をご持参ください。
可能な限りご本人の状況を説明できるご家族の付き添いがあると、診察がスムーズです。