診療部門のご案内Departments and Divisions 胆石・胆嚢外科
当科では、胆石症や胆嚢炎などの胆嚢疾患に対して、患者さんの状態に応じた適切な治療を行っています。特に、体に優しく整容性に優れた**単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS)**を積極的に導入しており、全国でも有数の実績を有しています。
目次
- 1. 胆石症・胆嚢炎について
─ 胆石や胆嚢炎の症状、診断、急性期の対応についてご紹介します。 - 2. 治療方針について
─ 無症状例から重症例まで、状態に応じた治療の選択肢と判断基準を解説します。 - 3. 腹腔鏡下胆嚢摘出術について
─ 小さな創で行う腹腔鏡下手術のメリット、安全性、全国的な標準術式をご紹介します。 - 4. 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS)について
─ 当院が全国でも有数の実績を持つ、整容性と低侵襲性に優れた単孔式手術について解説します。 - 5. 回復と退院の目安
─ 術後の疼痛管理、飲水・食事の再開、退院までの流れと社会復帰の目安について説明します。 - 6. 手術件数について
─ 年間手術実績と単孔式手術の比率、他院紹介症例の受け入れ実績についてご紹介します。 - 7. 安全性と信頼性
─ 合併症・手術死亡ゼロ、低い開腹移行率など、安全性に裏付けられた当院の実績をご紹介します。
1. 胆石症・胆嚢炎について
胆石症とは、胆嚢内に結石ができる病気で、痛みや炎症を引き起こすことがあります。多くは無症状ですが、食後の右上腹部痛、吐き気、発熱などの症状で発見されることがあります。
炎症が進行すると「急性胆嚢炎」となり、速やかな治療が必要です。重症例では入院のうえ抗菌薬投与や緊急手術が必要になる場合もあります。
2. 治療方針について
無症状の胆石は経過観察とする場合もありますが、症状がある場合や炎症を繰り返す場合は胆嚢摘出術が推奨されます。
当院では、症状・年齢・全身状態・緊急度を評価し、患者さんに最適な治療を提供します。
3. 腹腔鏡下胆嚢摘出術について
胆嚢摘出術の第一選択は腹腔鏡下手術です。お腹に小さな孔をあけて行うため、傷が小さく回復が早いという特徴があります。
従来は3~4孔で行う術式が一般的ですが、当院では「単孔式手術(SILS)」を標準術式として導入しています。
4. 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SILS)について
単孔式手術は、臍の中にわずか1ヶ所の切開(約2~3cm)をおいて行う術式です。術後の傷跡が目立たず、整容性に優れています。
当院は、この手術の草分け的存在として、全国1位の手術件数を誇ります。
さらに、「ミニループリトラクター」という独自開発器具を用いた術式で、より安全かつ確実な手術を実現しています。
5. 回復と退院の目安
単孔式手術では、術後の痛みが少なく、早期離床・飲水・食事開始が可能です。
多くの患者さんが術後2〜3日で退院されており、社会復帰も早いのが特長です。
6. 手術件数について
当院では、年間100件前後の胆嚢摘出術を施行しており、その多くが単孔式手術で行われています。
重症例や癒着のある症例にも対応可能な技術と設備を備えており、他院からの紹介症例も多く受け入れています。
7. 安全性と信頼性
これまで腹腔鏡手術に起因する重大な合併症・手術関連死はありません。開腹移行率も0.3%と極めて低く、安全性が確保された施設です。
患者さん一人ひとりの状態に合わせ、最も負担の少ない方法で確実に治療を行います。