診療部門のご案内Departments and Divisions 呼吸器内科

診療内容

 呼吸器内科は令和4年4月より常勤医師の赴任に伴い入院・外来診療ともに対応可能な体制となりました。呼吸器内科を受診するきっかけとなる症状には、咳、痰、喘鳴、息切れ、胸痛などがあります。健診でのレントゲン異常も受診のきっかけとなります。その原因として、肺炎・胸膜炎などの感染症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、肺がんなどがあります。そこで、各疾患における当科での診療内容について述べさせて頂きます。

呼吸器感染症(肺炎、胸膜炎など)

呼吸器感染症は咳、痰、発熱、胸痛などを症状とした急性発症のことが多く、予約外診療が必要な場合があります。抗菌薬にて治療を行いますが、治療開始の遅れは重症化をきたし治療期間が長期化してしまう事もあります。このため、地域連携課を通してスムーズに受診できるような対応を心掛けております。

気管支喘息

喘鳴や長引く咳の原因の多くが気管支喘息によるものです。気管支喘息は吸入薬をはじめとした治療により症状が全くない状態を保つことができます。一方で、多くの薬剤を使用しても症状が改善しない「難治性喘息」症例が、喘息患者さんの5~10%程度存在しています。当科では気管支喘息の診断、治療のみでなく、難治性喘息症例に対しても近年開発された生物学的製剤(抗体製剤)の導入も行いながら、症状のコントロールを行っています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患はタバコ煙などの長期の吸入曝露により肺が壊れてしまうために生じる疾患で、主に体動時の息切れを症状として受診されます。非可逆的な気道の閉塞が起きており、薬物療法のみでは症状が改善できない症例も多く認められます。このため、運動療法をはじめとしたリハビリテーションも重要な役割を果たしており、当科では多職種と連携した疾患管理を行っています。

間質性肺炎

間質性肺炎とは肺胞やその周辺(間質)に炎症が生じ、肺が固くなっていく疾患です。原因不明のもの(特発性)と、膠原病、薬剤、鳥との接触などによる原因が明らかなものに分けられます。原因に応じて治療法も異なるため、初診時には原因の精査を行っています。一般的に間質性肺炎は進行が緩徐ですが、進行が速い場合には抗線維化薬導入など最新の薬物療法も行っております。

悪性疾患(主に肺がん)

肺がんが疑われ、ご紹介をうける症例のほとんどがレントゲンやCTにて異常を認めた場合です。当科では気管支鏡下での生検など、できるだけ早く「がん」の診断を行い、病期に応じて外科的療法、放射線療法、内科的治療が適切かつ早期に開始できることを心掛けております。
 
 内科的治療に関しては、近年、従来の抗がん剤治療だけでなく分子標的治療薬や免疫療法の進歩により、長期にわたり著明な縮小効果が得られる症例が増加しております。この分子標的治療薬や免疫療法の適応症例を確定することも当科の重要な役割であると考えております。

診療実績

2022年度

入院患者数    延べ246名
外来患者数    延べ2640名
気管支鏡検査件数 48例

医師紹介

  • 宇津木 光克

    • 呼吸器内科