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成人腹腔鏡下ソケイヘルニア手術
当院では再発鼡径ヘルニアに対しては以前から腹腔鏡下手術を行ってきましたが、2012年に腹腔鏡下ソケイヘルニア手術が医療保険で認められたのに伴い、現在では、ほぼすべての患者さんが腹腔鏡下手術となっており、毎年100例前後が腹腔鏡下に行われています(図29)。腹腔鏡下手術は腹腔鏡でおなかの中を観察し、ヘルニアの出口をおなかの中から直接確認し、人工の膜を用いて出口を直接塞いでしまう方法です。3つの小さな穴を開けて手術を行いますが、当院の方法では1ケ所は臍の中にかくれる傷ですので(臍窩縦切開法)外から見える傷跡は5mmほどの傷が2ケ所のみです。もともと各種の腹腔鏡下手術実施件数が10,000例を超える病院ですので安全性が高く、痛みも少ないため術後2日目で退院可能です。再発率、術後感染も極めて低く、患者さんにとってデメリットは全くない方法です。
手術手順(図30-35)
(図30-35)
〈腹腔鏡下ヘルニア手術の利点〉
・傷が小さいので開腹が早く、痛みが少なく、傷跡がきれい。
・開腹が早く術後入院期間が短い。(1日から2日程度)
・回復が早く、すぐに日常生活戻れる。
・ヘルニア発生部位が左右の2ケ所(両側ソケイヘルニア)であっても傷が増えずに同時に治療できる。